「キレイにする」言葉は定義によって微妙に具合が変わってくるものです。ここではエアコンの分解清掃の実態について紹介します。
①現場の体験談
- エアコンの移動
- 中古エアコン
- 完全分解洗浄
これは「エアコンの冷房が効かなくなった」というお客様からの聞き取りでおおむね共通する内容です。基本的には経年によるガス漏れという他ありませんが、上記の履歴は目立ちます。
②問題の発見
共通することはなんでしょうか?
完全分解洗浄のリアル
左は銅管に注目してください。右はドレンパンで本体からぶら下がっています。ファンやドレンパンの分解まですることを一般に完全分解洗浄と呼ばれています。エアコンをはずして持ち帰ることを完全分解洗浄としている方もいます。
一方、ファンやドレンパン(外す場合もある)以外をはずす洗浄を分解洗浄と呼ばれることが多いです。


完全分解洗浄では銅管をゆっくりと曲げてファンを抜き取ります。そーっと、丁寧に、ゆっくりとやります。しかし、曲げた銅管は元に戻らないで。アルミホイルに折り目をつけてしまうと元の状態に戻せないのと同じです。元の状態に近づくだけです。このときにできた微細な折り目が年月とともに亀裂になります。簡単にいうと完全分解清掃でダメージを与えているわけです。
右はドレンパンです。こちらも外す場合は外し方を気をつけないとドレンホースを引っ張ってしまうわけです。ドレンホースが随分と余ったエアコンを見たことがあります。かなり引っ張ったか取り付け時にドレンホースへの配慮がなかったのでしょう。外さなくて良いなら外さないでキレイにすることが良いと思います。
中古エアコンや設置場所の移動
銅管は新しいものに付け替えておかないとガス漏れしやすいと思います。中古エアコンであれば、いつガス漏れするかわかりませんのでガス漏れの責任は負えないことをご了承いただけない場合はお断りすることがあります。2~3年後に問題が起こることが多いようです。
③クリーニングの過程
洗浄水量と洗浄方法を工夫して、出来るだけ強い洗浄を行きわたらせます。
④実際のエアコンクリーニング
カビの洗浄ではカビを不活性にして洗い流します。洗浄後はお客様にニオイの改善や風の強さについて喜ばれています。洗浄後は、カビが生えにくくなるエアコン設定についてお伝えしています。
⑤教訓
- 完全分解洗浄はリスクを承知で利用する
- 分解清掃は銅管の取り扱いがひとつのポイント
⑥まとめ
エアコンは当面10年くらい安全に使っていく考え方が現実的です。エアコンの買い替えは頻繁にはできないはずです。そうであるならば洗浄による安全性と洗浄によるリスクを現実的に天秤にかけながら、エアコン洗浄を上手にご利用いただければと思います。