みなさまは「垢嘗(あかなめ)」をご存知でしょうか?妖怪垢嘗の小説風エンターテインメントをお楽しみください。
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それはある日の晩のことでした
暑い夏でもあり寝苦しい夜が続いていたのだが、その日は久しぶりに涼しい夜だった。希代おさむは寝不足に陥っていて日中も睡魔に襲われていたこともあり、早めに床についていた。夜中の2時過ぎのこと、自分のいびきで目が覚めると妙に喉が渇くので、一階に降りて冷蔵庫のもので喉の渇きを潤すことにした。
階段を降りから途中、脱衣所の前を通ると「ぴちゃ、ぴちゃ」と水が漏れているような音が聞こえてきた。「栓がしまってないのかな」そう思い、浴室を開けようとしたところ何やら気配を感じたのである。
「ずるっ、ずるっ」と何かが這うような音がしていた。それから擦りガラスの向こうに何やら影を感じたのである。「コソ泥か?」一度戻って手ごろな棒をたずさえてから、再び浴室の前にたった。
すると、先ほどより大きな音で「ずるっ、ずるっ」と音がするではないか。意を決して「えいやっ」と浴室ドアをあけるとそこには誰もいなかった。少し冷静になってから電気をつけて見ると、カビだらけの浴室が現れた。
カビが細長く、こそげ取られたようになっていて、なにかヌメリのような情景をたたえていた。希代は子供の頃、おばあちゃんから聞いた「妖怪垢嘗」を思い出していた。
「何かの害を与えるものではない。だけど垢嘗が現れないように風呂掃除をしなさいよ」そんな言葉を思い出して「起きたら風呂掃除でもしようか」と考えたのだった。
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